久万広域森林組合 父野川事業所様では、バイオマス(木屑)ボイラを導入して蒸気ボイラの燃料であるA重油を削減され、更に、ドレン回収タンクを設置して燃料削減に取組まれています。今回省エネを更に進めるためのきっかけとして受診されました。エネルギー消費は、燃料が12%と少なく、電力が88%を占めています。木屑ボイラを導入後も、更に蒸気の使用効率を高める必要からスチームトラップの漏れの修理やドレンタンクの保温対策など、また電力ではコンプレッサ吐出圧力の低減、エア漏れ対策、照明の高効率化、デマンド対策などをご提案しました
提案1
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 5.9kL/年 |
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削減金額 | 371千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(55kw×2台、15kw×1台、11kw×3台、<br /> 5.5kw×2台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ8台が設置され、吐出圧力0.75Mpa(8台平均)で運転されている。この吐出圧力は使用端圧力(0.5Mpa)や配管などの圧力損失を考慮に入れても高く、更なる低減が可能。そこで、0.1Mpa下げて0.65MPaとして圧縮機の軸動力を下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
蒸気ボイラの空気比の適正化
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 96千円/年 |
設備概要 | ボイラ(1t/h、1.6t/h、0.5t/h×2台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
乾燥用蒸気ボイラ(1t/h、1.6t/h)と集成材用蒸気ボイラ(0.5t/h×2台)が設置されている。これ等のボイラの排ガス酸素濃度は、ばい煙測定データによると、5台平均で6.1%(空気比=1.41)とやや高めである。燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えエネルギー損失が増大するので、空気量を適正値(空気比=1.3)に下げることでA重油使用量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
蒸気配管
屋外ドレンタンクの保温対策
省エネ効果 | 16.6kL/年 |
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削減金額 | 1,382千円/年 |
設備投資額 | 1,600千円(回収1.2年) |
設備概要 | ドレンタンク(5,000L、3,000L) |
キーワード
保温対策
内容
ドレンタンクが2槽設置されている。このタンクに保温施工が施されていないため、表面から周囲へ熱放散している。保温対策を施すことで放散熱量を低減して、熱源であるボイラの燃料(A重油)を削減することを提案。なお現状のタンク表面温度は90℃であり、保温材はグラスウール50mmで施工する。
提案4
蒸気配管
スチームトラップ漏れの修理
省エネ効果 | 13.0kL/年 |
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削減金額 | 1,086千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収0.6年) |
設備概要 | スチームトラップ |
キーワード
蒸気配管漏れの修理
内容
乾燥機に使用しているスチームトラップに漏れが多く、ドレンタンクが満水となる、フラッシュ蒸気も発生するなどの現象が起きている。スチームトラップを交換して蒸気漏れを減らすことで、熱源であるボイラの燃料(木屑)を削減することを提案。なお木屑燃料削減量は、A重油に換算して算出する。
提案5
照明
水銀灯の高効率化
省エネ効果 | 13.0kL/年 |
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削減金額 | 816千円/年 |
設備投資額 | 4,640千円(回収5.6年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①ボイラ室と燃料庫の水銀灯(400W×4台)をLED灯(120W×4台)に更新する。
②水銀灯(400W×96台)をセラミックメタルハライドランプ(190W×96台)に交換する。
上記①、②の改善を行うことで電力消費量を削減することを提案。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置活用による契約電力の低減
省エネ効果 | 契約電力1336kW→1300kW(36kWの低減) |
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削減金額 | 637千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収0.8年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
現在の契約電力は1,336kWである。最大電力は冬季に発生している、その要因は、冬季の凍結防止機器による電力増大と想定される。最大電力の低減目標を定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた対策、即ち空調機の間欠運転、照明の電源オフをして最大電力を抑制し、契約電力を、1,336kW→1,300kWへ36kW低減することを提案。
提案7
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 6.9kL/年 |
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削減金額 | 573千円/年 |
設備投資額 | 380千円(回収0.7年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室の蒸気ヘッダーの玉形弁が保温されてなく、放熱が大きい。保温カバーにて保温し、熱放散を抑えることでボイラ燃料(A重油)を削減することを提案
提案8
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れ対策
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 174千円/年 |
設備投資額 | 10千円(回収0.1年) |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサの配管系統は、年月の経過とともに大きな力による変形やネジ類の緩み、腐食、劣化などによりエア漏れを起す。特に末端のホースやエアガンの接続部、継手などに多い。定期的にエア漏れ検査を行い、漏れを確認・補修、漏れ防止して電力消費量を削減することを提案。なお、一般に漏れ率は10%程度あるとされるているので、10%として試算する。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。