省エネ・節電ポータル

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省エネ支援現場レポート

支援レポート Vol.2-1

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調査編東京都・河北
リハビリテーション病院
(医療施設)

患者さんの回復支援を第一に、費用対効果の上がる省エネを。

社会医療法人河北医療財団 河北リハビリテーション病院(東京都杉並区)

2001年に開設された、閑静な住宅街の「病院らしくない」病院。スタッフはもちろん環境も含め一丸となり、患者さんの社会復帰を支援している。

「環境と医療は切り離して考えることのできない問題」という認識に立ち、長年に渡って環境活動を続けて来られた河北医療財団。
河北リハビリテーション病院においても、開設時よりコージェネレーションシステムの導入や屋上緑化を実践、2008年にISO14001環境マネジメントシステムから切り換え、KES環境マネジメントシステム スタンダードステップ2認証を取得するなど、環境重視の姿勢は一貫しているものの、「自分たちだけで考える省エネ」に関しては、必ずしも満足されていない面があったとのこと。
そんな折、KES審査員様からのご紹介で、診断をお申込みいただきました。

ある日の午後、一瞬だけ突出していた最大需要電力。
そこには「患者さんを最優先」する病院特有の事情がありました。
8月2日朝、2人の診断員が到着すると、さっそく打合せ開始。基本事項の確認が済むと、用意されたデータをチェックしながらのヒアリングへと進みます。
診断者は、一瞬だけ目立って突出している電力消費の記録を発見。そのため、契約電力量が高くなってしまっていることを指摘しました。既に、デマンド(最大需要電力)コントロールシステムを導入済みのはずなのに、これは、どうした訳でしょうか?
「記録的な猛暑日でした。当院の空調温度は、基本的に、一人ひとりの患者さんが、自分の体調や気分に合わせて設定されるべきものです。消費電力量が一時的に大きくなっているからと言って、病院サイドで一律にコントロールして良いものではありません」手塚様の言葉には、使命感に裏打ちされた重みがありました。
24時間稼動の施設を支える設備群、
スタッフのためのスペースや事務所も入念に調査。
午後、さらに詳細なデータ確認ののち、いよいよ現場調査です。LEDや省エネ蛍光灯を光源に採用した照明器具、来院者のいないエリアの照明は消灯、事務所の空調は既に省エネ温度に設定されています。
診断者は、屋上に設置されたエアコンの室外機を調査中、効率の低い旧タイプの冷媒が使われていることを確認。太陽光発電導入の可能性も示唆しました。ただし、エネルギー関連設備の設置場所を除き、屋上は基本的に、患者さんのリハビリテーション訓練と、憩いのためのスペースです。また、新しいエネルギーシステムへの投資回収は、どれぐらいの期間で可能かという難しい問題もあります。
詳細な調査を経て、本日のまとめへ。
多様な視点から、具体的な方策が提示されます。
現場調査のあとは、本日のまとめとして、さらに踏み込んだ打合せが行われます。
既に最新の省エネに取り組んでおられた河北リハビリテーション病院ですが、専門家である診断者の目は、さらに一歩進んだ省エネの可能性を、多角的に捉えていました。
また、「検討はしているが、費用対効果に関する正確なデータが得られないため、導入に踏み切れないでいる」施策があったことも明らかにされるなど、同じ目標を見据える診断者と受診者の間で、本音の意見交換が行われました。

一旦、調査で気づいたことや、様々なアプローチの可能性をご指摘した後、数値的なデータをもとにシミュレーションを行います。
約1カ月お時間をいただき、次回は、河北リハビリテーション病院に合った省エネ施策の詳細をご提案させていただきます。

当日のタイムスケジュール

診断者の目

「今すぐできること」から「十年先」まで、一度に見通すこと。

エネルギー使用合理化専門員

天野 尚

お客様の事情に合わせて、最適な省エネを実践していただくために、私たちは、調査の結果導き出される省エネ施策を、
1)投資を伴わないもの 
2)5年以内に投資回収できるもの
3)投資回収までに、5年以上を要するもの
大きく3つに分けて、詰めていきます。
今回の調査においても、目の前の問題と中長期的な課題を同時に意識しながら、総合的にチェックさせていただきました。大変良く省エネ活動が進められていますので、更に進めるための提案候補として以下のことに気付きました。

エネルギー使用合理化専門員

梅津 弘章

室温への影響が少ない「全熱交換型」換気システムを有効に利用していただくことは、壁スイッチの操作だけでできる「0円」投資の省エネです。談話コーナーの窓に遮熱処理を施せば、少ないコストで空調の効きが劇的に変わります。エアコンを新しいタイプに更新するには、ある程度の投資が必要ですが、比較的短期間で回収が可能です。屋上に太陽光発電パネルを敷設するのも有効な施策ですが、投資回収には少し時間がかかるかも知れません。このように、あらゆる可能性を現実的に詰めていくことが、私たちの任務なのです。

提案候補への気付き点

  • ◆全熱交換器換気システムの有効利用
  • ◆談話コーナー等の窓への遮熱処理
  • ◆エアコンを高効率タイプに変更(R22冷媒→R410A)
  • ◆外気導入量の削減

受診者の声

河北リハビリテーション病院
オペレーションサポート POM室 課長

手塚 太朗

いろいろな角度からご指摘いただくことができました。
次回は、費用対効果を検討できるデータも期待しています。

病院は、24時間稼動していなければならない施設。一人ひとりの患者さんに合わせる必要から、単純に一律コントロールする訳にいかない部分が多く、省エネに関しては難しい面も少なからずあります。また、いかに環境を重視しているとは言え「費用対効果」を検討した上でないと具体的なアクションを起こしにくいのが実情です。次回は、そのあたりでもご助言いただけると有難いですね。