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省エネ支援現場レポート

支援レポート Vol.8

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ミタニ マイクロニクス株式会社

受診をきっかけとして、「見える化」スタート。
「聖域なき省エネ」の成果と今後の展開は?

ミタニ マイクロニクス株式会社
(関東 フォトスクリーン・メタルマスク等の製造販売)

昭和29年創業のミタニ マイクロニクスは、高精細のフォトスクリーン、メタルマスクや各種メタル加工品など、高度な製造技術と安定した品質を要求される印刷関連パーツの製造・販売を手がけています。

受診までの経緯

手近な経費削減策はやり尽くしたが、他にできることは?
売上げの数パーセントに相当するエネルギーコストの削減に着手。

リーマンショックが様々な業界に影を落とした2008年以降、ミタニ マイクロニクスでも、あらゆる経費削減活動を展開していましたが、なかなか「これで充分」というレベルには至らず。手近な経費削減策をやり尽くした後、売り上げの数パーセントにも及ぶエネルギー使用コストにメスを入れ、これを削減しようという機運が高まりました。しかし、製品が温度差に敏感なため、品質管理においてどうしても温度差管理を優先せざるを得ないといった事情もあり、社内のメンバーだけで会議を重ねても、結論を出すのは難しいと判断。専門家による省エネ診断の受診を決意されました。

診断結果と専門家からの提案

現場視察と入念なヒアリングを経て、プロが導き出した
「品質管理」と「省エネ」を両立させる施策とは?

担当したエネルギー使用合理化専門員は、個別設備の運転状態を確認した時点で他の動力線とのバランスが悪く、低圧動力線が過負荷になり、電圧降下が起きていることを発見。
また、大幅な省エネを実現するには、使用電力の約60%を占めるクリーンルーム用空調において、品質を守りつつ省エネになる方策が必要であると指摘しました。
診断報告書では、空調の省エネ対策を中心に、運用改善と投資改善計9件の提案となりました。

巡回診断後、専門員とのミーティング

提案全体の効果

NO提案内容
1運用改善空調設備非作業時の設定温度適正化
2運用改善空調設備非作業時の外気導入量低減
3運用改善コンプレッサ吐出圧力の低減
4運用改善ボイラ空気比の適正化
5投資改善空調設備冬季外気冷房の活用
6投資改善空調設備ファンにインバータを導入し、非作業時の風量低減
7投資改善冷却設備冷却塔循環水ポンプにインバータ導入
8投資改善照明高効率蛍光灯への交換
9投資改善受変電設備変圧器の更新と負荷統合

取り組みの成果とこれから

東日本大震災時の電力事情の危機感をバネに
「省エネに聖域はない」を合言葉に改善スタート

クリーンルームの空調の省エネ対策は、やれば効果が出るのは判るものの、温湿度やクリーン度が製品の品質に大きく影響することから、すぐには実行に踏み切れませんでした。
しかし、翌春、東日本大震災後の電力使用制限や輪番停電という事態に直面し、タブーであったクリーンルームの空調の省エネに敢えて踏み込むという方針が決まりました。

「省エネに聖域はない!」を合言葉に、クリーンルーム用空調機の省エネをスタート。

空調負荷の低減という観点で技術検討を行ってみると、まず、クリーンルーム内の環境を維持するための循環風量が半減できることがわかり、循環ファンの稼働台数を半減しました。
次に、クリーンルーム内を陽圧に保つために取り込んでいた外気の量も、30%以上減らせることが判り、循環ファンと冷凍機の電力削減につながりました。

更にクリーンルームへのエア供給が、ダンパーによる風量制御になっていたため、ファンモータにインバータを導入し、回転数制御による風量制御にすることを計画しました。この時、必要風量が得られる周波数は計算上33Hz付近となり、従来設備メンテナンス業者から"待った"が入る場面もありましたが、直接メーカー担当者に確認することで、当初の予定通り33Hzに変更し、ファンの消費電力は1/3に減少しました。

これらの対策を実施した後、クリーンルームの環境を継続監視し、問題が無いことを確認できています。

設備改善で、さらなるコスト低減を達成

この他、デマンド監視装置導入により電力を見える化し、生産機器の時間差運転、休憩時間のシフト、空調室外機の遮光や散水、夏季デマンド逼迫時の屋根への散水などの対策と組み合わせ、契約電力を15%低減しました。

その他に照明のLED化なども実施し、対策前に比べ、原油換算12.8%の省エネにより年間980万円以上のコスト削減ができました。

改善のタネは、まだまだ豊富。ISO14001の環境目標も明確に。

そんなミタニ マイクロニクスが、省エネ活動に取り組む上での、今後の抱負はどのようなものでしょうか? 「改善アイデアは"乾いた雑巾を絞るように"出すと言われますが、弊社にはまだまだ豊富に改善のタネが転がっていて、"濡れた雑巾"状態です」。同社の省エネ活動は、新たな目標へ向けて、さらに加速しています。具体的な取り組みとしては、「ご提案いただいた残項目についても、着実にPDCAを回しながら、更なる成果に結び付けます」とのこと。
また、省エネ診断を受診したことによる副次的な効果として、ISO14001における環境目的・目標が明確になるとともに、PDCAをきちんと回せるようになったことによるパフォーマンスの向上を挙げられました。
最後に、「省エネ診断をまだ受診していない企業様におかれましては、ぜひ受診されることをお勧めします」とメッセージをいただきました。